ぐれっぐのことば日記・改

引越ししてみました

地下鉄の不条理

New Yorkの地下鉄はMTAというNew York市の管轄にある。東京の営団地下鉄と都営バス/地下鉄が一緒になったものを考えてもらえばよろしい。

数年前からMTAは日本製の車両を導入している。川崎車両あっぱれである。その新型車両には沿線上の現在地と次の駅の案内が表示され、案内の自動放送まである。まあ、日本では普通にあるものである。もちろん、New Yorkでは普通であるわけがない。なんせ、ダイヤが見事にflexibleなのであるから。

朝夕のラッシュである電車が乗降客の扱いに手間取り、後続の電車との間隔がつまることがよくある。そうすると、前の電車を急行扱いにするのである。その路線に急行がなくても、作ってしまうのである。急行となった前の電車から呆気に取られた途中の駅で待つ人を見たことが何度あるやらである。

休日のダイヤの変更などは、もはや日常茶飯事となりお知らせの紙も張らなくなってしまった。よく聞くのは「This train is an E-train running on the F-line. (この電車はF線を走るE電車です。)」 F線を走るならF-trainと呼べ。

そんな地下鉄であるから、駅で次の電車の案内などできるわけがない。案内放送は人手によるものであり、案内用に作られた電光掲示版は現在時刻と「MTAへようこそ」しか表示していない。

私はいまだに「New Yorkの地下鉄にはダイヤが存在しない」ことを信じている。