ぐれっぐのことば日記・改

引越ししてみました

『人力検索はてな』

前日の日記についたエンジニアな友人ごり氏からのコメントについて。

「はてな」の質問回答に対する質問者からの報酬は回答一つ当たり平均数十円であるので「金銭的な動機」というよりは、「質問者の役に立った」という満足を得るという「善意的な動機」によるものだという印象があった。のだが、9月の回答者ランキング(http://www.hatena.ne.jp/ranking?yr=2004&mn=9)によると、あれあれ、一月で1万円以上も稼いだ人もいる。よほど、力をつぎ込んでいるのだろう。。。でも、所詮1万円、金銭的な動機としてはちょっと低い気もする。


2chの質問回答的なスレッドを見ると、いわゆる「初心者ですが教えてください」と呼ばれる質問に厳しく当たる傾向がある。「そのくらい、どんな入門書にも載っている」とか、「質問のキーワードをgoogleで検索すればすぐ」とかいう類だ。「はてな」を見たときの最初の印象は、質問に対する批判があまり見られなかったということである。「とにかく答えよう」という誠意のようなものがそこからは感じられた。

「(アンケート) 最近はてなの質が落ちたという質問や意見が多いですが、質問者や回答者等、一番悪いと思うのはどんな人? (question:1096810149)」


に見られるように、質問に対する不満よりは質問に沿わない回答に対する不満のほうが多い。回答者にとっては、何を意図しているのか分からない質問であっても、とりあえず答えておけばポイントが得られるかもしれないのに対し、質問者にとっては回答をチェックするだけでポイントを消費してしまう。このあたりに「ごり」氏のいう金銭的動機が関わってくるものと思われる。


最近は、この「はてなの質が落ちた」という議論が出てきているようで

「『人力検索はてな』は、最近どうですか? (question:1096020997)」

などを見ると面白い。

まず目立ったところでいえるのが、良回答者が人力から疎遠になった(または流出、退会した)
というところに私は理由を見出します。かつてのポイントランカーの方々の人力での寿命は
大概長くはありません。その一方で最近はスピード中心の回答者が上位に名を連ねるように
なった。今は、そんな回答者を参考にして回答する回答者が増えるという悪循環の状態ですね。

(http://www.hatena.ne.jp/1096020997#a29)


「はてな」ができてから3年ちょっとしか経っていないところを見ると、彼らのいう「昔は質の高い回答が出ていたが、最近はスピード中心の回答が多くなった」というのは、「はてな」自身の質問回答システムが元々そこへ行き着くようなものであったようにも見える。回答者にモデレートを掛けられない
今のシステムでは当然の帰結なのかもしれない。




実は、99年に昔のボスが始めた会社で「はてな」のような人力検索(Guru Communityと呼んでいた気がする)システムを立ち上げるプロジェクトに関わった。(現存するその手のサイト

その構想を最初に聞いたときには「すげえ」と思ったが、そのプロジェクトは最初のfoundingを手に入れたもののその先がうまくいかず、結局、ビジネスの方向性を変えることになったらしい。自分はその年の9月から博士課程に編入の準備で忙しくなったので、それ以上関わることはなかった。「はてな」がある程度成功している(ような)のを見ると、そのプロジェクトは時期尚早だったと考えた時期もあったが、今にして思えば構想自体が結構厳しいものだったのかもしれないとも思う。



今後に期待しつつcatch-upしていくつもり。