もうひとつの選挙 - ぐれっぐのことば日記・改

まあ、中間選挙って奴にはほとんど興味がなかったので、あまりフォローアップできません。特にうちの周りには『民主党だったら何でもよし』みたいな風潮があってそれもちょっと違うだろうと思うのですが。まあいいや。
実は同じ日にうちのアパートの自治会の選挙があった。2年前にうちの物件を紹介してくれた何でも屋Cが、うちも含めそれまでにした電気系の工事に欠陥があるということが分かり大スキャンダルとなった。しかも、Cは電気技師としての免許がなく*1、市の規定でアパートに設置してはいけないことになっている洗濯機や暖炉などを設置したこと、電気系の配線に使ったコードが市の規定を満たしていないことなどが取りざたされた。そんな事実に尾ひれが付いて『Cがアパートの資材を私物化した』とかいう話が当時（選挙前）の自治会の広報に載せられた。Cの正式な職業はうちのアパートの建物のドアマンだったのだが、自治会はある日突然を解雇し、Cはそれに反撃し「自治会は毎年行わなければいけない選挙を何年もしないでいる」というチラシを全戸に配ったりといった醜い争いが繰り広げられた。

こちらとしてはCが正直な性格とずさんな性格とを兼ね備えた日本びいきのキューバ系移民ということは分かっているし、うちのCが工事したうちの配線の一部も市の規定に沿っていないことは今日の検査で分かった。Cが免許なしに(腕前はいいんだけど)ずさんな工事をしたこと自体は事実なので、修復のための費用はしかるべきところから取らせていただく。

っと、ここまではよい。

自治会はそれを受け、選挙の公示をした。選挙は7人の自治会役員を選ぶものである。2週間前に行われた電気系の必須検査なども含めた事項を話し合うミーティングが開かれ、各候補者の演説もそこで行われた。候補者は(当時の)現職会長M、若造でリーダーシップを持たないT、この建物に25年間住んでいて自治会の役職も勤め少なからぬ私財を投じたというK,数人の名もない人たち、そして『チーム』という候補者が現れた。この『チーム』というものは4人(T1,T2,T3,T4)で構成されていて「これまで不具合のあった建物をほったらかしていた現職の自治会役員を一掃し、自分たちが改革をする」というモットーでMをはじめとした現職役員の候補者と対立するもので、選挙の公示がされてすぐに自分たちのmission statementのチラシを全戸に配り、ミーティングにもさらに詳細なstatementをもってくるという用意の周到さを見せた。

演説を聴いてみると、T1の演説だけが今後の展望や計画も含まれていて、他の候補者は互い(『チーム』対現職)のののしりあいに終始している。こちらから見れば「他にやることがあるだろう」というところだ。この自治会の選挙では"Proxy"というシステムがよく使われ、各戸が選挙日当日に出向けないときに他の人に投票をお願いすることができる。選挙活動は活発に行われ、うちにも件のCや現職会長のMから電話がかかってきたらしい。実に迷惑な話である。

私はこのProxyのことを"Delegation"と誤解していた。ここでのProxyは「私はこの人に投票します」というinstructionを書き添え、Proxyを受け取った人はその通りに投票しなければいけない。私はこれを「全権をあなたに委任します」、Proxyを受け取った人が好きなように投票できるものと思っていたのだ。私がT1にProxyを渡そうが、T2,T3,T4に渡そうが、彼らが『チーム』で戦略を練れば『チームメンバー』の投票を的確に割り振ることができる。正直に言うとT2,T3,T4は「Mよりはまし」くらいなものだったし、唯一、将来の展望が明確だったT1も建築家であり会計職やリーダーシップには他のメンバーの助けが必要なのは明らかだった。

選挙日数日前に、T1に会う機会があり、そこでProxyの『本当の使い方』が明らかになったため、「他の人はT1に投票するだろう」と考えT2,T3,T4に我々の票を分割して投票することにした。チーム全体が当選しなければ意味がないのだ。

以上。

おぃ、『チーム』どうした???

想定した最悪の結果になった。票がT1に集まりすぎて、T2,T3,T4の票がMにすら届かなかった。選挙前のミーティングであそこまで反Mの気風が高まっていったのはいったいどこへ行ってしまったんだ??
名もなき5人の中には前自治会役員も含まれているのでT1一人でどこまで反Mを貫けるかは未知数。これから、どうなることやら。。。T2,T3,T4、責任重大だぞ!!!(もう、彼らが自治会役員の選挙に出られることはないと思うが)

続く

*1:でも、腕前はよかった