【化学】 酸と塩基の定義、3つ(その1)
はじめに
無事、化学の学習もLv 2に上がった(?)ので、少しずつでも学んだことについて書いて見ることにします。もちろん、専門的なことや面白いことは書けないので、化学者のつぶやきや有機化学美術館などを見たほうがよほどためになりますよっと。
前にも書いたように、有機化学を勉強しようとしていたのが前提となる知識が足りないことがわかり、「高校化学から出直して来い!」と必死で復習に励んでいます。今、酸と塩基の章に入ったので、これまで学んだことをまとめてみようと思いました。(どうして有機化学を勉強しようと思ったのかはここを参照)
自分は高校の時に理系の化学を取りましたが、大学入試は最終的に文転したので詳細はさらったレベルに過ぎず、今、見直すとほとんどのことが新鮮に見えるほどです。現在の学習は基本的なことはKhan AcademyのChemistryで抑え、詳細を見たいときに適宜Wikipediaを参照するようにしています。
何か間違いがありましたら指摘していただけるとありがたいですし、現在、勉強中の方はここに書いてある内容を鵜呑みにしないように。
それでは、はじまり、はじまり。
酸と塩基の定義、3つ(その1)
今日を含め、2,3回に分けて酸と塩基の定義について学んだことを書いて見ることにしまた。Wikipediaの酸と塩基の項によると次の3つの定義があるようです。
- アレニウスの定義
- ブレンステッド・ローリーの定義
- ルイスの定義
まずは自分の直感と中学校や高校で学んだことを思い出しながら、酸と塩基がどういうものだったかを復習して見ることにします。
【酸とは何?塩基とは何?】
普段の生活から直感的に酸とはこうだ、塩基とはこうだという感覚をもつのは難しいですよね。「酸」というから酸っぱそうなんですが、舐めたりしないようにしてください。塩基の感覚って何?ぬるぬる?苦味?こういうものを実感として経験させるために化学の授業に実験があるのだと思いますが、リトマス紙が赤くなったり青くなったりするのが一番印象にありますね。それでは酸と塩基は何かの尺度の両端を示すものとでもしておきましょうか。
酸の例としては、塩酸や硫酸を思い出しますね。他のものについてはWikipediaの酸の項目でも参照してください。塩酸は HCl 、硫酸は H2SO4 。共通項目は H ですか、この辺りに何か関係がありそうですね。
ちなみに塩基の方は水酸化ナトリウム (NaOH) くらいしか思い出せず、強塩基の項目を見ると色々と例があります。どれも OH がありますね。後、「タンパク質を加水分解する性質が強く、皮膚などを強く腐食し、目に入ると失明する恐れもある。」などともあります。怖いですねえ、実験の時には注意してください。
ここまで見ると、酸と塩基の実験で思い出すのは塩酸と水酸化ナトリウムを混ぜると、食塩(塩化ナトリウム)ができるというものでした。どういうものだったか、式に書いて見ることにしましょうか。
- HCl + NaOH → NaCl + H2O
- 酸 + 塩基 → 塩 + 水
こんなかんじだったと思います。ああ、そうそう。塩酸 HCl って単体で存在すると言うよりは、実験室にあったもののように水に溶けた状態で存在することが多くて、その時にはそのままの形ではなく、水素イオン H+ と塩素イオン Cl- に分解されるんでしたね。水酸化ナトリウム NaOH も同じように水に溶けて、ナトリウムイオン Na+ と水酸化物イオン OH- に分解されるんでしたっけ。
- HCl → H+ + Cl-
- NaOH → Na+ + OH-
ああ、こんな感じでした。
そうそう、ということは、酸は水素イオン H+ が関係していて、塩基は水酸化物イオン OH- が関係しているということで良さそうですね。後、酸と塩基は化学の中で陰と陽みたいな対概念のようです。陰と陽、プラスとマイナスみたいな感じですね。
【アレニウスの定義】
歴史を紐解いてみると、アレニウスという人がここまで見てきたような形で酸と塩基を定義したようです。1884年のことらしいです。
- 酸とは、水に溶けた時に水素イオン (H+) を出す物質。
- 塩基とは、水に溶けたときに水酸化物イオン (OH−) を出す物質。
確かに塩酸や硫酸はこの酸の定義に合っていますし、水酸化ナトリウムも塩基の定義に合っているようです。ああ、合っていると言うよりは、数ある物質の中で共通する性質(この場合、水素イオンや水酸化物イオンを出すという性質)をまとめて、「酸」や「塩基」と呼ぶことにしたということですね。
Wikipediaのアレニウスの項を見ると、この定義はイオンの理論を発展させたものだということです。アレニウス以前はイオンは電気分解によって生じるものだと考えられていましたが、アレニウスはイオンは電流を流していない状態でも水溶液中に存在すると考えたそうです。
アレニウスの定義は酸・塩基の定義の中で適用範囲が一番狭いと言われますが、他の2つの定義に発展する元となる重要なものだと言えますね。
すでに長くなってしまったので、ひとまずここで終わりにしましょう。次回はアレニウスの定義の限界を見ながら、他の2つの定義がどう発展していくのかを見たいと思います。