ぐれっぐのことば日記・改

引越ししてみました

一応大統領選のことも

全国的なことの詳しい分析などはニュースでも見てもらいたいが、大雑把に言えば大都市部で民主党のケリー、真ん中の田舎の州で共和党のブッシュという予想が、今のところそのままの形で現れてぱっと目には互角の状態らしい。と、思ったらフロリダをブッシュが取ったというニュースが。さてさて、どうなるんでしょう?

今朝、『NY1』というローカルニュース局を見ていたのだが、ニューヨークでは投票所で写真入の身分証明書を見せなければいけないのだが、運転免許証のようなものはともかく、どのIDはよくてどのIDはよくないというリストができていなかったらしい。ある投票所では学生証でもOKで、他の投票所ではだめということが起こりかねないという危惧が合った。

そんなのは序の口で、投票受付の時間もテレビなどで放送されなかったので、ニューヨーク市の選挙管理委員会のサイト(http://vote.nyc.ny.us/index.jsp)は反応が遅く、たびたびサーバエラーを返す。いまだにunder constructionな部分がある。などなど、「この選挙のやり方はよくない!」と突っ込めるところが満載である。テレビのインタビューでニューヨークの某一市民が「去年のような裁判沙汰にならないことを望む。民主主義国家として恥ずかしい。」などと話していたが、民主主義であるから僅差の州が出ると、負けた側が裁判を起こすのは(それで票がひっくり返せるのなら)それもテクニックの一つなのだろう。それぞれの州でどちらかがきちんと差をつけて勝てればいいのだが、そうでなければこの国は最高裁判員の手にゆだねられているのか。(だとしたら共和党現職有利?)


そうそう、ニューヨークについて。

州全体としてみると、ニューヨーク市長、州知事は共和党なのに、民主党の強い地域なので58%を取ってケリーが勝った。やはり、ニューヨーク市は民主党が強く、ブロンクス(82%)、ブルックリン(74%)、マンハッタン(82%)、クイーンズ(71%)と圧勝だが、スタテンアイランドは57%でブッシュが取っている。結構保守的な人が多いのだろうか、ある意味で田舎だし。

ニューヨーク市郊外を見るとクリントンのお膝元(今の住まいがあるという意味で)で比較的リベラルなウエストチェスター郡が57%でケリーが差をつけているのを除けば、Long IslandのSuffolk郡、Nassau郡ではほとんど差がない。内陸部ではかなりの郡でブッシュが取っている。都会から離れるにつれてブッシュ支持が増える傾向がまともに見られて面白い。


乱暴なのは承知の上で個人的な意見を言えば、どちらが大統領になってもこの国の持つ対外的なイメージはあまり変わらないだろうし、自分が世界の中心なんだという大きな態度も変わらない気がする。選挙自体も現行のある州での勝者がその州の選挙人(Electoral Vote)をすべて獲得できるというのはナンダカという気がする。仮に自分がニューヨークでブッシュを支持していたとしても、ニューヨークで投票する以上は自分の票が力になれないのは明らかだ。(民主党支持だったらユタでケリーに投票することを考えてみればよい) コロラド州が選挙人の数を得票数(Popular Vote)に応じて配分する方式を取るようになるらしいが、他の州もそうなっていくのかもしれない。自分で投票する州を選べるというのも面白いだろうな。


ちなみに4年前の選挙でブッシュ勝利が報じられた後にすぐフロリダの裁判になったので『ブッシュ勝利』が歴史的な誤報となるのを期待してその新聞をもらいしまっておいた。結局、ゴアが負けてしまったのでなんと言うことのない記事になってしまったが、その新聞は今でもしまってある。